会計人のためのExcel活用術(34)

会計データの編集で押さえておきたい報告資料のビジュアル化(決算申告書)

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 今回は、決算報告時の図解について見ていきます。
 決算時にはBSとPLを並べて、総資本回転率や総資本利益率(ROA)など、BSとPL双方の項目を対比させた指標を説明することも多いと思います。
 そこで、今回は決算申告書(BSとPL)を一緒に図解するときのやり方をみておきましょう。ただ、作り方としては、これまで見てきたBSやPLの図解の仕方と基本的には同じです。「積み上げ縦棒」グラフを使っていきます。

 BSとPLの決算後の当期末残高をExcelにダウンロードしてきます。
 この値を使って図解していきます。

 図解用に別シートを作り、BSとPLの値をそれぞれ「参照」して、下記のような積み上げ縦棒を意識した表を作成します。

表の範囲を選択して、「挿入」→「積み上げ縦棒」を選択します。

そうすると、下記のような横向きに積み上げられた棒グラフが作られますので、
これを縦向きの積み上げ棒グラフに形を整えます。

 グラフを右クリック→「データの選択」、ポップアップ画面で「行/列の切り替え」ボタンを押してグラフの向きを変えます。

 ポップアップ画面で、「行/列の切り替え」ボタンを押して、グラフの向きを変えます。

 グラフ間の間隔をゼロにして、BSの借方と貸方をつなげます。図解用の表でBSとPLとの間に1列(C列)空けているのは、このためです。

そうすると、BSとPLを並べた形になります。


 ただし、この時点で出来上がるグラフは、下記の矢印の向き(上から下)へ積み上げられた棒グラフです。科目の向きが表とは逆になっているので、表示位置を調整していく必要があります。

 再度、グラフを右クリックして「データの選択」を選んで、左側の枠の矢印ボタンを使って、科目の表示位置を変えていきます。

 あとは、色付けを変えたり、説明に応じて、強調したい部分にだけ色をつけるなどの加工をすれば完成です。
 (各要素は右クリックで色を変えたり、「データラベルの追加」などが出来ます)

 たとえば、総資本回転率や総資本利益率の説明を中心にするときには、売上高や利益に色を付けて、 BS(総資本)の大きさとの対比に注目させます。
 BSの自己資本比率を強調したい場合には、純資産のところに色を付けて総資本に占める大きさを視覚化させます。

 決算ではBSとPLの数値を対比させて説明する指標が多いと思います。
 別々の表の数値の対比を説明するときは、図を使ったほうが、それぞれの表の大きさを視覚的に認識できるので、わかりやすくなります。

 これまで見てきた図とあわせて、決算時にはBSとPLの対比図もプラスして、説明にアクセントをつけていきましょう。

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