会計人のためのExcel活用術(33)

会計データの編集で押さえておきたい報告資料のビジュアル化(CF)

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 前回に続き、Excelを使った報告資料の図解(ビジュアル化)について見ていきます。
 BS、PLの図解について見ましたので、今回はCF計算書を見ていきたいと思います。
 CF計算書の図解については、以前、分析のところでご紹介したウォーターフォール図がビジュアル資料としても役に立ちます(会計人のためのExcel活用術(24)参照)。

<ウォーターフォール図>

今回は、これとは別のビジュアル資料について見ていきたいと思います。

現預金収支をPLと並べて視覚化する

 CF計算書で毎月見るのは営業CFの部分です。
 投資CFが動くのは、設備投資や固定資産の売買のときくらいですので、絵を使って説明するまでもありません。
 同じように、財務CFについても、通常月は借入金返済の動きくらいですので、こちらもわざわざ絵で説明する必要もありません。
 複雑な動きをして、経営者の頭を混乱させるのは営業CFですので、この部分だけをピックアップして視覚化します。
 
 営業CFの様式には間接法と直接法の2つがあります。
 よく使われるのは間接法のほうで、利益に対して、どこで収支との差異が生じているのかをBS科目の増減で調整する形式で表現します。上記のウォーターフォール図は、この間接法の様式による営業CFを図示したものです。
 間接法は、差異が生じている原因(売掛金なのか、在庫なのか、買掛金の支払いが大きいのか等)とその差異額がわかるので、どこに対策を打てばよいかがわかりやすいという特徴がありますが、反面、収支の流れが感覚的に捉えづらいという欠点があります。
 あくまで、利益に対する差異を調整していくという様式なので、いくら入金があって、いくら出金したのかという流れは見えにくくなっています。
 これに対して、直接法は収支の流れをそのまま表現した様式になります。

 「営業収入」は現金売上代金と売掛の入金額です。「仕入れによる支出」は現金による仕入れと買掛の支払額、人件費やその他の収入・支出も同様に実際に支払った金額で表します。
 つまり、いくら入ってきて、いくら出ていったのかをそのまま表現した様式と言えます。
 感覚的にわかりやすくなっていますが、間接法とは逆に、どこで利益との間に差異が生じているのかはつかみにくくなります。

 そこで、損益(要約PL)と直接法による営業CFとを並べて対比させます。
 表だけでもよいのですが、さらに、これを図にして比較することで、差異部分の大きさが視覚的に把握できるようになります。

図解用に、上記の表の値を参照する形で、次のようなセル範囲を用意します。
損益項目、CF項目を一番左の列(A列)に並べ、次の列(B、C列)に損益の数値、
1列間をあけて(D列)、CFの数値を並べます(E、F列)。


BSの図解のところでも見たように、これを積み上げ縦棒でグラフにします。
手順も一緒です。範囲を選択して「積み上げ縦棒」を選択すると、いったん、横向きに積み上げた棒グラフが出来上がります。これを縦向きに向きを変えてあげます。
右クリックして「データの選択」→ ポップアップ画面で「行/列の切り替え」を押すと、縦向きに積み上げた棒グラフが出来ます。

グラフ間の間隔をゼロにして、損益の表と収支の表とを左右に並べるようにします。

 ただし、この時点で出来上がるグラフは、まだ正しい形にはなっていません。
 図上では、科目の向きが表とは逆向きになっているので、表示位置を調整していく必要があります。


 あとは色を変えたり、項目名や金額を表示させるように加工して完了です。

 説明にあわせて損益と収支との差異が大きい部分に色付けして、差異を視覚的に把握しやすくします。

 CF計算書で説明したいのは、利益と収支の差異部分です。
 図解の1つは以前に紹介した間接法による様式をウォーターフォール図にして表現する方法です。
 もう1つ今回紹介した直接法の様式を損益と並べて視覚化する方法も有効です。
それぞれの様式の特徴を理解した上で、説明の補足資料としてビジュアル化した資料を添付できるようにしましょう。

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