会計人のためのExcel活用術(32)

会計データの編集で押さえておきたい報告資料のビジュアル化(PL)

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211206

 前回に続き、Excelを使った報告資料の図解(ビジュアル化)について見ていきます。
 前回BSの図解について見ましたので、今回はPLの方を見ていきたいと思います。
 PLは月次推移表を使った説明をすることが多いと思いますので、この月次損益推移表の図解をご紹介します。
 作り方自体は前回見たBSの図解方法とほとんど同じです。
 会計ソフトから、月次の損益推移表データをExcelにダウンロードして、これを積み上げ棒グラフを使って図解します。

 会計ソフトからダウンロードしてきた状態のままだと、グラフ化するには項目が多すぎて見にくくなってしまうので、別シートに、下記のようにある程度、費用科目をまとめた表を作って、これをグラフにします(値はすべて「月次損益推移表」を参照する形にしておきます)。

表全体を選択して、メニューの「挿入」→「積み上げ棒グラフ」を押します。

この時点で、↓の向き(一番下に「売上高」、一番上に「経常利益」が)積み上がった棒グラフができます。

 図の各項目の表示位置を変えていきます。

ただし、このグラフでは「売上高」も積み上がっている形になっています。
 「売上高」は「売上原価」~「経常利益」の合計値なので、つまりは「売上高」が余計に積み上げられた形になっています。
 ここで、「売上高」だけ、グラフ種類を「折れ線グラフ」に変更します。

 グラフを右クリックして、「系列グラフの種類の変更」を選択します。
 「売上高」のグラフの種類を「折れ線」に変更してOKします。

 ただし、このままだと、まだ値の入っていない未来月の折れ線グラフがゼロに張り付いてしまって、見栄えがよくありません。

 未来月のセルに入っている参照式をすべてクリアすれば、値が入っている月までの折れ線グラフにすることは出来ますが、月が変わるたびに直近月の値までを参照し直すように毎回更新するのも面倒なので、このような場合には、値が入っていない月を参照したときには、エラー値が入るような算式にしておくと問題は解消します。

 あとはBSのよきと同じように、グラフタイトルをつけたり、色の変更などを行って体裁を整えれば完成です。
 その他、必要に応じて説明で強調したい箇所だけ濃い色付けをするなどの編集を行うのも有効です。

例:「粗利率が悪くなっている」という説明で、直近3か月売上原価のところを色付けした場合


 PLは経営者も営業担当者も会社のすべての人が最も興味ある資料になります。
 それゆえ、数値だけの資料に加えて、図解した資料も一緒に付けてあげると喜ばれます。
 ちょっとした手間だけで、こちらへの評価がガラッと変わりますので、ぜひ試してみてください。
次回は、CF計算書のビジュアル化について見ていく予定です。

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