みなし配当の租税法における計算規定

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みなし配当の租税法における計算規定について概略を教えてください。
前章と重複する箇所もありますが、まとめて整理すると下記になります。

【解説】

租税法では、利益剰余金の配当以外の事由により、株主に還元される内部留保は、みなし配当として株主に課税されます。
法人税法では資本金等の額と利益積立金額を峻別しています。法人税法上の資本金等の額の定義は法人税法施行令第8条第1項に「法人が株主から出資を受けた金額として政令で定める金額」とあります。
法人税法施行令第8条第1項12号では、「資本金等の額を減少した場合(無償減資した場合)のその減少相当額」を定めています。
資本金1,000の法人が100減資し、当該減資後、資本金900その他資本剰余金100となった場合を想定します。租税法における資本金等の額の総額は変化していません(900+100=1,000)。
法人税法施行令第8条第1項13号では利益の資本組入れによる無償増資に関する規定があります。13号は「準備金の額若しくは準備金の額を減少して資本金の額を増加した場合の、その増加した金額に相当する金額」と要約できます。繰越利益剰余金1,000を資本金に組み入れ資本金が2,000になった場合等が考えられます。
「利益積立金額」については法人税法施行令第9条第1項に「法人の所得の金額のうち内部留保している金額で政令により定める金額」とあります。法人税法施行令第9条第1項1号は「会社設立以降に計上した所得のうち留保した額の累計額(配当金支出前)」、8号は「会社設立以降に配当金として社外流出した額の累計額」と要約できます。
上掲1号の額から上掲8号の額を控除して算出される額は、貸借対照表の利益剰余金の額に会計上の資産・負債の期末帳簿価額と租税法における資産・負債の期末帳簿価額との差額(税会不一致項目)を加減算した金額になります。
法人税法施行令第9条第1項2号は「合併法人が適格合併により被合併法人から引き継ぐ利益積立金額」となります。

 

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【出典書籍】
Q&Aみなし配当のすべて
<ロギカ書房>

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