会計人のためのExcel活用術(21)

会計データの編集で押さえておきたいExcelのグラフ機能(PL分析1)

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 今回から、Excelグラフを活用した具体的な会計データの分析について見ていきます。
 前回、会計データにおける分析では、

・儲かっているか?
・おカネは足りているか?
・何か異常はないか?

 の3点を説明できることが大事だと述べました。
 その判断・解釈を行うために、次の3つの切り口を使います。

・比較:前期比、予算比等
・傾向:年間推移等
・分解: 部門別、一人当たり等

 最初に「儲かっているか?」すなわちPLの分析について見ていきましょう。

(1)「比較」で検証する

 前期実績や予算額との比較は分析の基本です。
 たとえば、売上高を見てみます。
 まず、前期と当期の月別売上高をグラフにして、変化が顕著なポイントがないかを確認します。
 グラフの作り方自体は非常に簡単です。前期と当期の月別売上高を並べた下記のような表をつくり、範囲を選択して、作りたいグラフのボタンを押すだけです。
 ここでは「縦棒グラフ」を選択します。

タイトルを編集すれば、グラフとしては出来上がりです。

 ただ、肝心なのは「儲かっているか?」を明らかにすることです。
 次にグラフを見て、変化のあるところに注目します。
 たとえば、この例のように、直近の3か月の売上が前期に比べて大きく落ちているのがわかったとしたら、他の月は薄い色に変えて、直近の3か月の棒グラフを目立たせた上で、「売上が前期に比べて大きく落ちている(あまり儲かっていない)」ことを強調します。

 示す事実としては同じでも、できれば、自分がどうデータを読んだかをグラフにも表すようにします。

 月別の売上予算があれば、さらに、このグラフ上に予算値も加えます。
 月別の予算値の行を1つ追加して、これも含めたセル範囲をグラフにします。
 予算値の方は、折れ線グラフにするとわかりやすくなります。
 特に正解とかはありませんが、月別の棒グラフで3本以上の棒グラフを並べると、少し見にくくなるので注意しましょう。
 「挿入」→グラフの中に「組み合わせ」から、「集合縦棒-折れ線」の組み合わせを選ぶと、予算線を加えたグラフを作成することができます。

 先ほどの棒グラフに濃淡をつけたグラフで、予算線と比較してどうかという視点も加えて示すことができます。
 たとえば、直近3か月では前期と比べて大きく落ちており、予算比でも全体的に下回っている等。

 売上高で見てきましたが、同じように粗利益や営業利益についてもグラフにして比較してみます。数字だけで見るよりも、気づく点が多くなると思います。

(2)「傾向」を把握する

 「傾向」をみるのによく使われる移動年計グラフを紹介します。「傾向」をみるのには折れ線グラフを使うとわかりやすくなります。
 毎月毎月、過去12か月間の集計値をプロットし、これを線で繋げていきます。
 売上高や粗利益、営業利益などの移動年計をみて、上昇傾向、あるいは下降傾向を把握します。
 売上高、粗利益、営業利益の移動年計グラフで見てみましょう。
 まず、過去3年くらいの月別の売上高、粗利益、営業利益を抽出しておきます。
 次に、毎月、それぞれの過去12か月分を集計(年計)した表を別に作ります。
 最初のセルにだけ集計値の計算式(SUM)を入れます。以降の月ついては、これをコピーして貼り付ければ、移動年計の表が出来ます。
 (相対参照によって、参照先が1月ずつズレていってくれる)

 年計の表を選択して、挿入→折れ線グラフを選択すれば、移動年計グラフを作成します。

 これを見ると、売上は上昇傾向にあるのに対して、粗利益や営業利益は横ばいである傾向がわかります。
 どれくらい下降傾向にあるのかは、さらに、粗利益率や営業利益率の推移(傾向)で確認します。これも数字だけでなく、グラフで確認した方がはっきりします。

 今回は、「儲かっているか?」の検証として、「比較」と「傾向」の切り口を使った分析例として、代表的なものを2つ見ました。
 もちろん、何をどのようにグラフ化するかは業種や会社によっても違うので、一律に「これだ」と決めることはできません。ただ、「比較」とか「傾向」といった切り口に着目して検証するという点は共通していますので、その点を意識しながらグラフ化してみましょう。

 次回も、引き続き「儲かっているか?」の分析について見ていきます。
 今回みていない「分解」の切り口からの分析例について、ご紹介する予定です。

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