会計人のためのExcel活用術(18)

会計データの編集で押さえておきたいExcelに判断させるための機能

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 今回は、Excelに判断をさせる機能について見ていきます。
 そんなにメジャーな機能ではないものの、会計データの編集をする際に覚えておくと便利な「ゴールシーク」と「フラッシュフィル」という2つの機能についてご紹介します。

(1)ゴールシーク

 「ゴールシーク」は、計算結果を先に決めておいて、その結果を得るために必要な入力値を逆算してくれる機能です。
 たとえば、目標とする全社の粗利益額(計算結果)を達成するために各部門に期待する粗利益額(構成割合)を逆算で求める場合や、損益分岐点(利益ゼロ)を達成するのに必要となる販売数を逆算したい場合などに使います。
 実際の例で、みていきましょう。

 次のような部門別の粗利益見込に対して、全社売上見込みの「2,000,000」はそのままとして、部門1と部門4の売上構成割合を動かすことで、粗利益額「900,000」を達成できないかをシミュレーションしてみます(部門2と部門3の構成割合はそのまま)。

 メニューの「データ」→「What-If分析」→「ゴールシーク」を選択します。
 「数式入力セル」には、全社の粗利益合計額(算式=SUM)が入っているD6のセルを指定して、「目標値」として「900,000」を指定します。
 「変化させるセル」として部門1の売上構成比(C2セル)を指定します。
 このとき、部門4の売上構成比には全体からの差分(100% - SUM(C2:C4))の算式を入れておきます。
 そうすると、粗利益額「900,000」を実現するための部門1の構成割合が算出され、全体の差分として部門4の構成割合も計算されます。


 
このように、算式が決まっている場合に、目標値から必要となる入力値を確認したい場合にゴールシーク機能を使います。
 損益分岐点分析で、目標利益から変動費率や固定値などのパラメータを変化させて実現可能性を検証するようなケースでも使えます。
 シミュレーション時のツールとしてぜひ押さえておきましょう。

(2)フラッシュフィル

 「フラッシュフィル」はExcelが法則性を見つけてくれて、そのルールに従って自動入力を行ってくれるという機能です。
 Excelのバージョン2013から搭載された比較的新しい機能です。
 「年月日」のセルを、関数を使わずに「年」・「月」・「日」にそれぞれ分解したり、あるいは規則的に入力されている「摘要欄」に含まれている文字列を抽出したいときに「フラッシュフィル」を使います。

 たとえば、次のように年月日をそれぞれ別々に抽出したいケースを考えてみましょう。
 もちろん、この例であれば、日付関数(Year、Month、Day)を使ってバラすことも可能です。ただ、ここで「フラッシュフィル」という機能でExcelに法則性を判定させて、項目をバラすことも出来ます。

 まず、B列の入力したセルのすぐ下のセルを選択しておいて、メニューの「データ」→「フラッシュフィル」を選択します。

 そうするとExcelが一番上の入力値から、法則性を判定してくれ、それ以下の全てのセルに「年」を入れてくれます。

 「月」と「日」に関しても同様です。
 すぐ下の空欄のセルを選択した状態で「フラッシュフィル」を行うと、それ以下にそれぞれ「月」・「日」を抽出してくれます。

 このように一番上の入力値からルールを見つけてくれ、それ以下のセルに値をいれてくれる機能が「フラッシュフィル」です。

 「年月日」は関数を使うことが出来ますが、「摘要」にしか入っていない情報を抽出したいような場合は、この「フラッシュフィル」が便利です。

 たとえば、補助科目を設定しておらず、次のように担当者名が摘要欄の文字列にしか入っていない場合に、担当者名だけを別のセルに抽出したいことがあります。
 摘要欄の文字列は一定のルールに基づいて構成されていますが、区切り位置にあるスペースが全角だったり半角だったり、スペース2個分入っていたりと、入力者によってマチマチだったとします。
 こんなときこそ「フラッシュフィル」が効果を発揮します。
 一番上に抽出したい文字列を入れておいて、あとは「データ」→「フラッシュフィル」でExcelに自動判定させます。

 今回は、「ゴールシーク」と「フラッシュフィル」という2つのExcelに判定を任せるような機能を見てきました。
 そんなにメジャーな機能ではありませんが、会計データの編集においては、知っておくと重宝する場面が結構ありますので、押さえておきましょう。

 次回以降はExcelのグラフ機能について見ていく予定です。

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