受取配当の益金不算入と最近の改正項目(令和2年度改正項目)

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受取配当の益金不算入と最近の改正項目(令和2年度改正項目)の概略を教えてください。
下記のとおりです。

解説

 法人株主の場合、株式保有割合+所有期間で受取配当金の益金不算入額の金額は下記のように変わります。
⇒完全子法人株式等(配当計算期間を通じて完全支配関係が必要(法法23⑤、法令22の2))
 …全額益金不算入

⇒関連法人株式等(配当計算期間を通じて3分の1超100%未満保有している場合、6月の継続保有要件あり(法法23⑥、法令22の3))
 …全額益金不算入+負債利子控除

⇒その他の株式等(完全子法人株式等、関連法人株式等、非支配目的株式等のいずれにも該当しない株式等(法法23①弾力条項))
 …50%益金不算入

⇒非支配目的株式等(5%以下を配当基準日に保有している場合(法法23⑦))
 …20%益金不算入
 
 グループ法人税制下においては受取配当の全額益金不算入が適用されます(法法23、法令22の2)。
 この規定の適用を受けるには、配当金の計算期間の初日から末日まで完全支配関係が継続していることが前提です(法令22の2①)。
 計算期間を短縮しない限り、株式取得から少なくとも丸1年たたなければ負債利子控除の適用を受けずに全額益金不算入となる配当金の受取りはできません。
 オーナーが株式を持株会社へ売却するスキームはよくあります(詳細は拙著「『Q&A 中小・零細企業のための事業承継戦略と実践的活用スキーム』(ロギカ書房)」参照のこと)。株式を持株会社が購入後、すぐ配当を行うと、上記規定は通常適用されません。この場合、初年度(1年経過後まで)についてはいったん、本体会社から持株会社への貸付を行うことが実務的には多いです。当然、利息の計上も行います。
 なお、令和2年度税制改正により、下記のような改正が入ります。本稿脱稿時点、関係通達が発遣されていないため、大綱ベース(令和元年12月12日公表 令和2年税制改正大綱)に筆者が補足したものを掲載します。

(令和2年度税制改正大綱より一部抜粋)
二 各個別制度の取扱い
 次に掲げる個別制度については、親法人及び各子法人が申告を行うことに鑑み個別計算を原則としつつ、企業経営の実態や事務負担、制度趣旨・目的、濫用可能性等を勘案し、それぞれ次のとおりとします。
 また、他の各個別制度についても、同様の考え方により、適切な仕組みとします。
 (※筆者注:下記の制度は原則:個別、例外:グループ全体合算と考えてください。)

1 受取配当等の益金不算入制度
 ⑴ 関連法人株式等に係る負債利子控除額を、関連法人株式等に係る配当等の額の100分の4相当額(その事業年度において支払う負債利子の額の10分の1相当額を上限)とします。
 ⑵ 関連法人株式等又は非支配目的株式等に該当するかどうかの判定については、100%グループ内(現行:連結グループ内)(筆者注:グループ法人税制と同義なのか不明。例えば国内親→海外子→国内孫が100%でつながっていると、連結納税では国内孫は除外されるが、グループ法人税制では国内孫もカウント(対象)になる。)の法人全体の保有株式数等により行います。
 ⑶ 短期保有株式等の判定については、各法人で行う。

 

【出典書籍】
Q&Aみなし配当のすべて
<ロギカ書房>

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