会計データの編集で押さえておきたい「テキストデータ」読み込み機能

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 今回は、会計システムのデータをExcelに読み込む方法についてご紹介します。
 最近の会計システムは、直接Excelのデータ形式で出力してくれるものが多くなっていますので、あまり気にせずに、そのまま出力されたExcelを編集すればよくなっています。
 ただ、少し前までは一旦、テキストファイルのデータとして出力するシステムが多かったので、会計データをExcelで編集する場合、テキストデータのExcelへの読み込み方法を知っておくことは必須でした。
 そんなわけで、以前と比べると重要度は低くなってきていますが、それでもまだテキストファイルでしか出力してくれない会計システムもありますので、知っておいた方がよい知識になります。

<テキストデータの読み込み>

 テキストデータには各項目間の区切り文字によって、いくつか種類がありますが、最もよく使われるのが「カンマ」を区切り文字としたデータです。
 いわゆる「CSVデータ」と呼ばれる形式のものです。ちなみにCSVの意味は、

CSV:Comma Separated Value(カンマで区切った値)
単純に頭文字を略しただけのものです。

 CSVデータはそのまま(テキスト形式のまま)、Excelで開くことも出来ますが、加工する際に不都合な場合もあるので(先頭の「0」が消える等)、Excelのデータ形式に変換した上で編集するようにした方が安心です。
 テキストデータの読み込みはExcelの「データ」→「データの取得」から行います。
 ここで、注意点としてExcel2016からは、それまでとは仕様が異なり、クエリという機能で、テーブル形式で読み込むのが標準になっています。
 それ以前は、単純にExcelの普通の表として読み込んでくれるのが標準でした。
「テーブル」はデータベースのように扱うことができ、関数の引数の指定の仕方が楽になったり(セル範囲を指定しなくても「テーブル1」とか「金額」のようにテーブル名や項目名で指定でき、行を増やしたりした場合でもセル範囲を修正しなくて済む)、複数のテーブルにリレーションを設定して関連付けることで、必要な項目を持ってきて資料を作成することなどが出来たりします。
 と言っても、普通のExcel表とは扱い方が少し異なるので、使い慣れていないとかえって煩わしく、また、会計数値を編集する上では、そこまで大きな利点も感じられないので、当面は、普通の表として取り込んでおいた方が無難です。

 テーブル形式の解除の仕方は、メニューに「テーブルデザイン」という項目が現れますので、この中の「ツール」の中の「範囲に変換」というボタンを押します。
 「~続行しますか?」というメッセージが出るので、「OK」するとテーブル形式が解除されます。

 このように一旦、テーブル形式で読み込んでおいて、テーブルを解除して、通常の表にすることも可能ですが、最初から表として読み込むようにすることも出来ます。
 (Excel2013まではこちらの読み込みの方が標準でした)
 そのためには、面倒なのですが、事前に設定を1つ変えておく必要があります。
 「ファイル」→次の画面で「オプション」をクリックします。
 「Excelオプション」のポップアップが表示されるので、この中の「データ」を選択します。「レガシデータインポートウィザードの表示」の枠の中の「テキストから(レガシ)」にチェックを入れます。
 これで、先ほどの画面から普通の表としてテキストデータを読み込むことが出来るようになります。

 Excelシートに戻って、先ほどと同じように「データ」→「データの取得」→今度は「従来のウィザード」を選択します。
 そうすると、オプションでチェックを入れた「テキストから(レガシ)」という項目が選べるようになっているので、これをクリックします。
 これで普通の表として最初から読み込むことが出来ます。
 テキストファイルを選択し、ポップアップ画面で区切り文字「カンマ」をチェックします。
 各セルのデータ形式は「標準」のまま「完了」とすると、「テーブル」形式ではない、通常の表としてExcelに取り込むことが出来ます。

 使っているExcelのバージョンによっては、こちらの、通常の表として読み込むパターンの方が標準になっていることもありますので、その場合は、事前のオプション設定は必要ありません。

 今後も会計システム側で、Excelデータとして直接エクスポートするような仕様になっていくと思いますので、テキストデータを読み込むという場面も少しずつ減っていくと思います。
 ただ、現時点では、まだまだテキスト(特にCSV)データで出力されることも多いので、テキストデータの読み込み方を押さえておく必要があります。
Excelのバージョンによっても、標準となる読み込み方が違ってきますので、その辺も一緒に押さえておきましょう。

 次回は、<会計データの編集で押さえておきたい「ショートカットキー」>についてご紹介します。時短テクとして様々なショートカットキーが紹介されていますが、特に会計数値の編集の際によく使われるものをピックアップしたいと思います。

 

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