スクイーズアウト「現金交付型合併」とみなし配当について教えてください。
下記が原則です。
目次
解説
合併法人が合併対価として現金交付することにより、被合併法人の株主を排除することができます。
現金交付型合併は、原則税制非適格です。しかし、平成29年度税制改正により、吸収合併の適格対価要件が緩和されました。合併法人が単独で被合併法人株式の2/3以上を有する場合には、被合併法人の株主に金銭その他の資産を交付しても税制適格は担保されます(法法2十二の八)。
税制適格合併に該当する場合、被合併法人株主に、みなし配当課税は生じません。しかし、現金交付を受けた株主については、株式譲渡損益課税を認識します。
合併比率調整により、被合併法人株主に端株交付することも可能です。この場合、端株合計数に相当する数の株式を売却し、その売却代金を被合併法人の株主に交付することとなります(会社法234)。端株のみ交付された少数株主は売却代金を受取、株主でなくなります。
被合併法人株主に端株売却代金相当の金銭を交付した場合、株式を交付したものとして税制適格は担保されます(法基通1―4―2)。
(法人税基本通達1―4―2)
【合併等に際し1株未満の株式の譲渡代金を被合併法人等の株主等に交付した場合の適格合併等の判定】
1―4―2
法人が行った合併が法第2条第12号の8《適格合併》に規定する適格合併に該当するかどうかを判定する場合において、被合併法人の株主等に交付された金銭が、その合併に際して交付すべき合併法人の株式(出資を含む。以下1―4―2において同じ。)に1株未満の端数が生じたためにその1株未満の株式の合計数に相当する数の株式を他に譲渡し、又は買い取った代金として交付されたものであるときは、当該株主等に対してその1株未満の株式に相当する株式を交付したこととなることに留意する。ただし、その交付 された金銭が、その交付の状況その他の事由を総合的に勘案して実質的に当該株主等に対して支払う合併の対価であると認められるときは、当該合併の対価として金銭が交付されたものとして取り扱う。
法人が行った株式交換等又は株式移転が同条第12号の17《適格株式交換等》又は第12号の18《適格株式移転》に規定する適格株式交換等又は適格株式移転に該当するかどうかを判定する場合についても、同様とする。
(注) 当該1株未満の株式は、令第4条の3第4項第5号《適格合併の要件》、第20項第5号《適格株式交換等の要件》及び第24項第5号《適格株式移転の要件》に規定する議決権のないものに該当する。
【合併等に際し1株未満の株式の譲渡代金を被合併法人等の株主等に交付した場合の適格合併等の判定】
1―4―2
法人が行った合併が法第2条第12号の8《適格合併》に規定する適格合併に該当するかどうかを判定する場合において、被合併法人の株主等に交付された金銭が、その合併に際して交付すべき合併法人の株式(出資を含む。以下1―4―2において同じ。)に1株未満の端数が生じたためにその1株未満の株式の合計数に相当する数の株式を他に譲渡し、又は買い取った代金として交付されたものであるときは、当該株主等に対してその1株未満の株式に相当する株式を交付したこととなることに留意する。ただし、その交付 された金銭が、その交付の状況その他の事由を総合的に勘案して実質的に当該株主等に対して支払う合併の対価であると認められるときは、当該合併の対価として金銭が交付されたものとして取り扱う。
法人が行った株式交換等又は株式移転が同条第12号の17《適格株式交換等》又は第12号の18《適格株式移転》に規定する適格株式交換等又は適格株式移転に該当するかどうかを判定する場合についても、同様とする。
(注) 当該1株未満の株式は、令第4条の3第4項第5号《適格合併の要件》、第20項第5号《適格株式交換等の要件》及び第24項第5号《適格株式移転の要件》に規定する議決権のないものに該当する。
税制適格合併の場合、被合併法人株主にみなし配当は生じません。
この端株は合併法人が買い取ることができます(会社法2344)。この場合、自己株式取得となりますが、これに係るみなし配当は生じません(法令233九)。
【出典書籍】
Q&Aみなし配当のすべて
<ロギカ書房>
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