前回にひき続き、FATCAにおける報告書Form8938の詳細を記載しております。
Form8938は、特定外国金融資産の報告書となりますが、概要は次の通りです。
Ⅰ. Form8938を提出する場合
米国市民(米国籍)や米国居住者の方が「日本」など他の国に、特定金融資産を一定額以上有している場合は、特定外国金融資産の報告書を作成してIRSに提出する必要があります。
もし、提出を忘れた場合には$10,000の罰金が発生する可能性があります。
Ⅱ. 特定外国金融資産(Specified Foreign Financial Assets)について
Specified Foreign Financial Assetsとは次のような金融資産になります。
② 米国事業者以外により発行された株式等
③ 外国企業の持分
④ 米国事業者以外により発行された金融派生商品や契約等
Ⅲ. 報告する必要のない資産
以下の資産は報告する必要はありません。
1)特定の金融口座
以下の金融口座およびそのような口座に保有されている資産は、特定の外国金融資産ではないためForm8938で報告する必要はありません。
≪米国の金融機関など、米国の支払人が管理する金融口座≫
一般に、米国の支払人には、外国の銀行または外国の保険会社の国内支店と、米国の金融機関の外国の支店または外国子会社も含まれます。米国の金融機関によって運営されている金融口座の例は次のとおりです。
・IRA(従来型またはロス)、
・セクション401(k)退職勘定、
・適格な米国の退職金制度、および
・米国の金融機関が管理する証券口座
2)特定の金融資産
アカウントのすべての保有が証券のディーラーの時価会計規則またはセクション475(e)または(f)に基づく選定対象となる場合は、証券または商品のディーラーまたはトレーダーによって運営される金融口座のアカウントは、同社がすべての保有に対して作成します。
3)外国の社会保障
外国政府の社会保障、社会保険、または他の同様のプログラムに関するものは、特定の外国金融資産ではありません。
Ⅳ. 提出義務者の金額基準
提出が必要な方の基準額は、それぞれの申告ステイタスに基づいて次の金額超を保有する方になります。
Ⅴ. 具体的なForm8938の記入内容とは
この特定外国金融資産の報告書のフォームは Part1~5まで、それぞれ次のような内容を詳細に記載し報告することになります。
■Part6では、外国金融口座以外の金融資産を報告する。2以上の場合はそれぞれ別の要旨に記載する。
Ⅵ. 設例 =Each Cases=
次のケース1~4は、フォーム8938を提出する必要があるかどうかを判断するのに役立ちます。
Case1).
Case2).
Case3).
Case4).
・米国市民。
・課税年度の任意の部分における米国の一定の居住外国人
・共同所得税申告書を提出する目的で居住外国人として扱われることを選択した非居住外国人。
・アメリカ領サモアまたはプエルトリコの一定の居住者である非居住外国人。See:Publication
See: About Form 8938, Statement of Specified Foreign Financial Assets , from IRS
(2020/10/30 現在)