今回は、よく使われる関数の中でも、数値を扱う関数についてご紹介します。
会計数値を編集する上では当然、一番よく目にする関数になります。
(1)SUM関数
知っている人にとっては、今更紹介するまでもない一番メジャーな関数です。
あまりよく知らないという人は、これだけは覚えてしまってよい関数です。
SUM関数は渡した引数の合計値を返してくれる関数です。
会計データでは金額の集計値(販管費合計とか)を計算するときに頻繁に使います。
「=SUM(セル範囲)」という指定の仕方になります。
連続したセルの場合は「:」で範囲指定をします。
飛び飛びの離れたセルの値を集計したいときは「,」で区切って指定します。
この他にも、いくつか範囲指定の仕方がありますが、最もよく使うこの2パターンをまずは押さえておきましょう。
会計データに限らず、SUM関数は最もよく使われる関数です。
範囲指定のやり方がいくつかある、ということをあわせて覚えておきましょう。
(2)SUMIF関数
次にSUMIF関数を紹介します。SUM同様、集計値を求める関数になりますが、こちらは条件(検索値)に合致した値のみを集計してくれるという関数です。
「=SUMIF(検索範囲, 検索値, 集計する範囲)」という指定の仕方をします。
具体的に見てみましょう。
次のような担当別の売上明細一覧表から、部門毎の集計値を計算するケースで考えます。
(A列に「担当者名」、B列に「売上金額」、C列に「部門」)
まず、「営業部門1」の売上金額の集計は、
SUMIF(検索範囲 [C列] , 検索値[営業部門1], 集計する範囲[B列] )と指定します。
そうすると、C列に「営業部門1」と入っている明細行について、B列(売上金額の列)の集計値を計算してくれます。
「営業部門2」と「営業部門3」についても同じように範囲指定して、計算をさせます。
会計データでは勘定科目別の金額集計をするときに、このSUMIF関数をよく使います。
たとえば、下記のような経費精算書で、勘定科目ごとの集計を各担当者にはさせずにSUMIF関数を使って、Excelに自動計算させるといった使い方があります。
会計業務では、勘定科目や部門など、あるカテゴリーごとの集計値をとりたい場面がよくあります。特に大量の明細データから集計をとりたいときに、SUMIF関数を知っておくと重宝しますので、ぜひ押さえておきましょう。
(3)ROUND関数
数値の切り上げ、切り捨て、四捨五入を行うための関数をまとめてROUND関数と呼んでいます。
切り上げを行うときは「ROUNDUP」、切り捨ては「ROUNDDOWN」、四捨五入は「ROUND」という関数を使います。これらもよく使う関数です。
ROUND(セル, 桁数)という指定の仕方をします。
セルの数値に対して、何桁未満を「四捨五入・切り捨て・切り上げ」するか指定します。
たとえば、小数未満を「四捨五入・切り捨て・切り上げ」するときは桁数に「0」を、小数点第1位未満を「四捨五入・切り捨て・切り上げ」するときは桁数に「1」を指定します。
このように基本的には、小数点以下の桁数を操作するための関数ですが、会計数値では、桁数の指定の仕方を少し工夫して、「千円未満切り捨て」や「百万円未満切り捨て」という操作でこの関数をよく使います。
桁数にマイナスの数値を指定すると、そのような単位での丸め操作が可能になります。
具体的に見てみましょう。
たとえば「8,000,599」という数値を「千円未満切り捨て」、「切り上げ」、「四捨五入」する場合、次のように桁数として「-3」(マイナス3)を指定すると、千円未満を丸める処理が行われます。
会計数値では千円単位での丸め処理をよく行いますので、桁数の指定の仕方を押さえて、ROUND関数を使いこなせるようにしておきましょう。
今回は、数値を扱う関数として、「SUM関数」、「SUMIF関数」、「ROUND関数」を見ました。もちろん、数値を扱う関数は他にも沢山ありますが、会計数値を扱う上では、とりあえずこの3種類の関数と四則演算(+-×÷)を使いこなせれば大丈夫です。
あまり最初から沢山の関数を覚える必要はありません。慣れてきて、余裕が出てきたら、他にどんな関数が用意されているのか調べてみるのがよいでしょう。
次回も、会計データの編集で知っておくと便利な関数を見ていきます。
次回は日付や文字列を操作する関数を見ていきます。
[dropshadowbox align=”none” effect=”raised” width=”auto” height=”” background_color=”#f2f2f2″ border_width=”0″ border_color=”#dddddd” rounded_corners=”false” inside_shadow=”false” outside_shadow=”false” ]
会計データの価値を最大限引き出すExcel活用術
<清文社>
[/dropshadowbox]