会計人のためのExcel活用術(6)

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 今回はExcelの代表的な機能の1つである「並べ替え」についてご紹介します。
 よく使われる機能ですので、ご存じの方も多いかと思います。
 あまり知らないという方も、表をちょっとアレンジしたいときに便利な機能ですので、覚えておいて損はないと思います。

(1) 「並べ替え」の基本的な使い方

 「並べ替え」は一般的にもよく使われる機能ですが、会計データを編集する場面でも 重宝する機能です。
 たとえば、税務申告書の科目内訳書を作成する際に、売掛金や買掛金の内訳を残高の多い取引先順に並べ替えたり、あるいは取引先名(アイウエオ)順に並べ直したり、といったときに使います。
 売掛金の補助科目一覧表を残高が多い順に並べ替えるケースで見てみましょう。
 まず、Excelにダウンロードした一覧表のどこでもよいのでセルを選択し、メニューバーの中の「データ」→「並べ替え」を クリックします。

 そうすると、Excelが自動的に表の範囲を認識し、1行目をタイトル行として認識してくれます。
 どの項目で並べ替えをするのかを指定する画面が出てくるので、「当期残高」を「大きい順」に並べ替えするように指定します。
 そうすると残高が多い順に並べ替えてくれます。

 そのほかには、営業で使っている表を会計側でも利用したいときに、営業側での方と異なる順序で見たいときなどに使います。
 たとえば、回収予定表を営業側では担当者別に管理しているところを、会計側としては回収予定日順に並べ替えて短期の資金繰りの用途で使いたいといったケースです。
 このときは「並べ替え」の項目として「回収予定日」を古い順(近い順)で指定します。

 このように「並べ替え」は規則的な順番に並べ直したいときや、他部門で使っている表を別の見方で並べ替えたいときに使える機能です。

 会計データ では 何百件、何千件と いう件数を扱うことが多い ので、「並べ替え」 がより有効になります。多量のデータを一瞬のうちに見たい順番で並べ替えてくれます。
 操作は簡単ですので、ぜひ押さえておきましょう。

(2) ちょっと応用的な「並べ替え」

 通常の「並べ替え」は 「行」を並べ替えします。(一番上がタイトル行で、その下に並んでいる複数の行を何らかの基準で並べ替え)

ほとんどのケースでは、通常の「並べ替え」で事足りるのですが、会計データでは、時に「行」ではなく「列」を並べ替えられると重宝する場面があります。
 たとえば、部門別損益表や複数投資案の比較表といった列単位のかたまりを、売上や利益額の大きい順に左から並べ替えたいようなときです。

 このようなときに、オプションを使って「行」単位での「並べ替え」を「列」単位に切り替えます。
 たとえば、投資検討案の「並べ替え」で見てみましょう。
 まず、並べ替えたい列(投資案A~投資案Eの列)を選択します。
 一番左の列を選択しないのは、「列」単位の「並べ替え」のときは先頭列をタイトル列とは認識してくれないからです。
 列の並べ替え自体が特殊なので、Excelもそこまでは自動認識してくれないようです。

 どの項目で並べ替えをするのかを指定するポップアップ画面が出てくるので、ここで「オプション」をクリックし、「方向」を「行単位」から「列単位」に変更してOKします。
 そうすると、どの「行」の項目を使って並べ替えるかを指定できるようになります。

 ここで、たとえば、投資利回り(6行目)の値が大きい順に左から並べて見たいときには、「行6」を選択して、降順(大きい順)にしてOKします。
 そうすると、投資利回りの大きい順に投資案を並べ替えることが出来ます。

 他の項目(利益率や利益額、投資額など別の基準)でも、同じように 「 並べ替え 」して、いろんな角度から複数の投資案を比較検討することが出来ます。
 会計データでは、売上、売上原価、利益といった科目を縦に並べることが多いので、このような投資案、その他にも部門別損益比較表・店舗別損益比較表といった、列単位のかたまりを横並びにしている表をよく使います。
 そんなときに、列単位での「並べ替え」が出来ることを知っておくと、表の縦・横の向きをわざわざ変えなくても、比較検討することが出来ます。

 基本の「並べ替え」とあわせて、オプションの「並べ替え」も押さえておきましょう。

 次回は、会計データの編集で押さえておきたい 「フィルタ」機能 についてご紹介します。「フィルタ」も「並べ替え」 と同じくらいにExcelではよく使われる機能です。
 もちろん、会計データを扱う上でも重要な機能になります。

 

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会計データの価値を最大限引き出すExcel活用術
<清文社>

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