会計人のためのExcel活用術(5)

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(1)形式を選択して貼り付け(応用編②)

 前回に続き、「形式を選択して貼り付け」の応用的な使い方の2つ目です。
 Excelにダウンロードしたデータの形式が、報告資料の形式と異なっているという場合に、まとめて、項目名と数値の向きを変えて貼り付けることが出来ます。

 「形式を選択して貼り付け」の「行/列の入れ替え」という貼り付けを行います。
 まず、ダウンロードしてきた表全体をコピーします。
 次に貼り付けたい場所で「形式を選択して貼り付け」の中から「行/列の入れ替え」に✔を入れてOKします。

 一般的な表を編集する際にはあまり使わない機能ですが、会計の報告資料を作る際には便利な機能です。
 会計の報告資料では、書式に合わせて、向きを変えて貼り付けたいことがあります。
 そんなときに、まとめてコピペできる機能ですので、押さえておきましょう。

(2)形式を選択して貼り付け(応用編③)

 「行/列の入れ替え」の左にもう1つ「空白セルを無視する」というチェックBOX があります。これも知っておくと役立ちますので、あわせて押さえておきましょう。

コピー元に空白のセルがあった場合に、貼り付け先で、その空白セルは無視してくれる(貼り付けないでくれる)機能です。
たとえば、部門別月次損益の速報値を確定値で上書きしたいケースを考えてみます。
このとき、月次報告会の時点で確定値が出ている部門は確定値に書き換えて、まだ確定値が出ていない部門は速報値のまま残しておきたいとします。

確報数値部分をコピーした後、速報値の数値部分に「形式を選択して貼り付け」で「空白セルを無視する」にチェックを入れてOKで貼り付けます。

 空白だったセルは無視され、確報値が入っていたセルだけ確報値で上書きされます。
 このように、徐々に確定したものから、上書きしていきたいようなケースで使えますので、「空白セルを無視する」貼り付けも覚えておきましょう。

(3)非表示のセルは貼り付けない

 「空白セルを無視する」に少し似ているものですが、非表示のセル(折りたたんでいる行)の内容をコピー&ペーストしない、という機能があります。
 非表示セルは、文字通り非表示になっているだけなので、普通にコピー&ペーストしてしまうと、非表示の部分もコピーされ、そのまま貼り付けられます。

 これを表示部分だけをコピーして貼り付けるためには、「条件を選択してジャンプ」という機能を使います。
 コピーしたい範囲を選択した上で、「ホーム」メニューの「検索と選択」の中の「条件を選択してジャンプ」を選びます。
 ポップアップ画面で、選択項目がたくさん並んでいますが、この中の「可視セル」を選んでOKします。
 そうすると表示されているセルのみが選択されている状態になるので、この状態でコピーして貼り付ければ、非表示の部分はコピーされません。

 会計データをいろんな資料に流用している場合、行削除が出来ないこともあります。
 (別の資料では、その削除する項目を使いたいなど)
 そんなときに、使用しない項目は非表示にして、「可視セル」のみをコピーすることで、いろんな資料の編集が可能となります。
 難しい操作ではありませんので、ぜひ覚えておきましょう。
 次回は、<会計データの編集で押さえておきたい「並べ替え」機能>についてご紹介します。「並べ替え」はExcelを使う上ではずすことが出来ない機能です。
 もちろん、会計データを扱う上でも必須の重要な機能になります。

 

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会計データの価値を最大限引き出すExcel活用術
<清文社>

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