「コピー」機能自体は基本中の基本操作です。
「Ctrl+C」のショートカットキーで覚えている方も多いと思います。
ですので、「コピー」機能の基本的な使い方を説明することはしません。
今回も「会計データを編集する」際に知っておくと役立つ「コピー」周りの機能をご紹介します。
(1)オートフィル機能
連続した値のコピーをしたいときに、もっともよく使われるオートフィルという機能があります。
たとえば「4月1日」というセルの右下にカーソルをあて、「+」マークを引っ張っていくと「4月2日」、「4月3日」・・・のように連読した日付を展開していってくれる機能です。
機能の名前自体は知らなくても、よく使っているという方もいると思います。
年・月でも、同じように連続した年・月を展開していってくれます。
文字や数字の場合は、そのまま同じ値をコピーするようになっています。
会計資料の多くは月別の表になるので、知っておくと便利な機能です。
この判断は値の書式からExcelが行ってくれます。ほとんどの場合でその判断は正しく、こちらが行ってほしい形でコピーをしてくれます。
ただ、時には、この判断とは違った形でコピーしたい場合もあります。
連続した値ではなく、そのまま単純に同じ値をコピーさせたい、あるいは、逆に、Excelは単純な値のコピーと判断したけれども、本当は連続した値をコピーしてほしかった、というケースもあったりします。
そのときは、カーソルを引っ張っていった右下に出てくる「オートフィルオプション」というボタンの中でコピーの仕方を切り替えることが出来ます。
例えば、日付データでオートフィルを使うとデフォルトは「連続データ」でコピーされます。これを「オートフィルオプション」で「セルのコピー」としてあげれば、単純に同じ値のコピーに切り替わってくれます。
よくある切り替えたい場面は、項番(1 2 3・・・)を付けたかったところ、オートフィルを使ったら、単純な「1」のコピーになってしまったときです。
今度は「オートフィルオプション」で、「セルのコピー」から「連続データ」へ変更します。
そうすると、「1 2 3・・・」という連続した値に切り替わります。
その他にも「書式のみのコピー」、「書式なしコピー」というオプションもありますが、これらは基本的には使いません。
多くの場面では、「セルのコピー」または「連続データ」のいずれかの切り替えのみ押さえておけば、十分です。
「書式のみのコピー」とか「書式なしコピー」というのは、既に値が入っているセル、あるいは何らかの書式設定がなされているセルに対して、一旦オートフィルして値や書式を書き換えてしまった後に、「やはり値は書き換えず、書式だけのコピーに変更する」とか、「やはり書式はそのまま残して、値だけのコピーに変更する」という、かなりややこしい操作を意味します。
ですので、このようなときは普通、「形式を選択して貼り付け」の機能を使って、最初から何を貼り付けるのかでコントロールする操作を行います。
(一旦書き換えてしまった後に戻す操作ではなく)
「形式を選択して貼り付け」にいては次回ご紹介する予定です。
「オートフィル機能」を覚えておくと、連続した数字や年月が多い会計データの編集では重宝します。
さらに「オートフィルオプション」も押さえて、連続コピーなのか、単純な値のコピーなのかを自在に切り替えながら、柔軟な編集ができるようにしておきましょう。
(2)「Ctrl+C」以外のコピーの仕方
コピー(Ctrl+C)した値を「貼り付け」していくのが通常の操作ですが、それ以外のコピーのやり方もあるので、+αとして押さえておきましょう。
特に同じ値を何度もコピペしていくような場合に便利な方法です。
・Ctrl+D
という2つのキー操作になります。
「Ctrl+R」を使うと、横(行)方向に同じ値をコピーしていくことが出来ます。
(多分、「R」はRightを意識しているのだと思います)
「Ctrl+D」のほうは、縦(列)方向に同じ値をコピーすることが出来ます。
(多分、「D」はDownを意識しているのだと思います)
「コピー」&「貼り付け」の2回の操作を1回のキー操作で済ますことができる利点がありますが、コピーが解除されてしまったときに(コピー後に別のセルを編集してしまったときなど)、再度「コピー」操作をやり直さなくても済むところが便利です。
繰り返し入力しながら編集する場面で役立ちますので、コピー機能のオプションとして、「Ctrl+R」と「Ctrl+D」も押さえておきましょう。
次回は、「会計データの編集で押さえておきたい基本操作(貼り付け)」をご紹介します。
見ていく機能としては、普通の「貼り付け」というよりも、「形式を選択して貼り付け」になります。
会計データの価値を最大限引き出すExcel活用術
<清文社>