不動産M&Aとみなし配当②

不動産
不動産M&Aとみなし配当①
https://manitax.jp/post-2959/

不動産M&Aの切り分け方は大きく下記に場合分けすることができます。

⑴ 第1パターン

✓不動産部門外の事業を簿価で分離します。
✓残存不動産部門株式を第三者に譲渡(M&A)します。
(STEP1)
税制適格分割型分割により、不動産以外の事業を移転(分割承継法人)します。
(STEP2)
 不動産が残存している会社(分割法人)の株式を第三者に売却します。
前回解説した通り、第三者売却でも当初税制適格は担保されます。すなわち、含み益に対する課税は生じません。
 このパターンは、全ての含み益を遮断したい時(株式譲渡益課税は生じます)に採用されます。これは実務上の勘所です。
 したがって、多額の含み益がある「不動産以外の事業」を無税で切り離したい、かつ、多額の含み益ある「不動産」売却に係る税金も極力低減したい、という場合に最も税効果が出現します。
 このパターンは、平成29年度税制改正をそのまま利用した方法ですが、M&A対象外資産もM&A対象資産も多額の含み益があるという状況において最も税効果が期待できるものの、そこまで優良な中小・零細企業は現実的にはそれほど多くなく、あくまで筆者の肌感覚ですが、シミュレーションにおいて、期待するほどの税効果が出現しない場合が多いように思えます。

⑵ 第2パターン

✓不動産部門外の事業を時価で分離します。
✓残存不動産部門株式を譲渡(M&A)します。
(STEP1)
 税制適格分社型分割により、不動産以外の事業を移転(分割承継法人、100%子法人)します。
(STEP2)
 上記(STEP1)の100%子会社をオーナーが購入します。この結果として、分割型分割と出来上がりは同じになります。
 すなわち、この段階で、分割法人と分割承継法人は横並び(兄弟会社)になります。
(STEP3)
 不動産が残っている会社((STEP1)の分社型分割における分割法人のこと)の株式を第三者へ売却します。この第三者売却の場合、(STEP1)の会社分割は税制非適格となります。

 このパターンは平成29年度税制改正と関係ありません。従来からある手法です。上記第1パターンに比較して煩雑です。それでも、これを「敢えて」実行する意義は下記です。

 

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【出典書籍】
Q&Aみなし配当のすべて
<ロギカ書房>

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