重加算税の論点を全整理・解説

第12回:従業員の不正で法人に対して重加算税が課されるのか?・後編

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不正

 税務調査では、どんな税目であっても論点となる「重加算税」ですが、その法律要件(国税通則法)・事務運営指針(通達)、そしてその解釈、さらには実務的な対応については理解されていないことが多く、また深く学んでみると意外にその判断は難しいことがわかります。
 本稿ではシリーズ(連載)で、「重加算税」について体系的かつ網羅的に解説します。
なお、重加算税の賦課要件の前提となる「過少申告加算税」については、「過少申告加算税の論点を全整理・解説」と題して、全12回にわたり解説していますので、そちらも併せてご覧ください。
 第12回となる本稿では前回に引続き、会社の従業員が行った不正行為に関して、法人に重加算税が課されるのかについて考察します。

裁決事例の件数を見ても・・・

 株主でもない平取締役が行った不正は重加算税の対象になるのでしょうか?末端の社員であれば??このような場合がもっとも、税務調査で争いになりやすいでしょう。
 国税不服審判所のホームページにある公開裁決事例の中に、「国税通則法関係 > 請求人以外の行為」という項目があり、法人の代表者以外が行った不正行為に対して法人に重加算税が課された事案を取り上げていますが、なんと16件も載っています(令和2年5月現在)。

 

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