国外子会社配当による株式保有特定会社外しスキーム

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株式評価

【質問】

 国外子会社配当による株式保有特定会社外しスキームにおける留意点についてご教示ください。

【回答】

 のれんの取扱いも含めて解説します。

解説

 国外子会社のせいで株式等保有特定会社に該当している場合は、国外子会社が配当することが株特外しの定石です。順を追って説明しましよう。
 国外子会社株式の評価は下記の手順で行います。

(STEP 1 )
国外子会社の監査を依頼している現地の会計事務所からA/R提出してもらう。使うのはそのうちB/Sだけです。
(STEP 2 )
B/Sに計上されているnet assetsを抽出。わが国でいうところの純資産の額に当たります。
(STEP 3 )
この純資産価額に課税時期のTTBを乗じたものが評価額となります。

 こうして算定した国外子会社株式の評価額が高騰しており、株式等保有特定会社に該当する場合には、原則として配当を行います。すなわち、国外子会社の純資産は配当の金額だけ減少し、本体国内会社の総資産は配当の金額だけ増加します。
 このスキームが株式評価に与える影響について考えておきましょう。
 類似業種比準価額方式は、受取配当金のうち益金に算入されない金額がある場合には、1株当たりの利益金額の算定にあたって益金不算入額を加算し、それに対する源泉所得税額は控除します。
 また、純資産価額方式では、受取配当金により本体会社の現預金が増加するので、総資産は増加します。一方、国外会社株式の評価額は減少します。これは、国外会社株式の評価は純資産価額方式で行うためです。
 実務上よく問題になっているものの、通説がない点について、私見を解説します。国外子会社の「のれん」の評価についてです。この論点は、いくつか説が分かれていますが、下記のC説が、最も簡単です。
 本体会社における国外子会社株式の帳簿価額が200、国外子会社株式の直近の貸借対照表上の純資産が100の場合、100のものを200で本体会社は買っていることになるので、差額の100が「のれん」となります。この100をどう処理するかということについて、A説、B説、C説があります。

A説は、国内財産と同様に財産評価基本通達165、166の規定に基づき、有償取得のれん+自己創設のれんを一括評価するというものです。この165、166というのは営業権の評価明細書のことを指しています。
B説は、のれんの評価を別途評価するということです。この方法としては、実務上は、DCF法等になると思われます。
C説は、取得価額を基に時点修正する方法です。上記の場合、「のれん」は100なので、その100にその評価時点のTTBを掛けるという方法です。

 

【出典書籍】
Q&A 非上場株式の評価と戦略的活用スキーム
<ロギカ書房>

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