税理士事務所のためのパソコン教室では教えてくれないExcel自動化道場

その1 他人に大事な数式を壊させないための必殺テクニック

Share on twitter
Share on facebook
エクセル

見知らぬ誰かの生産性をExcelによって上げることに心血を注ぐ

世の中には、Excelの達人と呼ばれる外資系コンサルタント方や、元SEの税理士さんといった、Excelの使い手はたくさんおられます。

私が、その方たちと根本的に異なっているのは、自分がExcelで作ったプログラムを、他の人に使ってもらうことに主眼をおいているということです。

達人の方々は自分自身の生産性を上げるためにテクニックを磨かれるのに対し、私は見知らぬ誰かの生産性をExcelによって上げることに心血を注いでいます。

情けは人の為ならずで、他人の生産性を上げると自動化が進み結果的に自分の仕事も速くなります。

現在、210名程の会員様にプログラムを提供しています。

そのためピボットテーブルやテーブルというような属人性の高い機能は使いません。

普段はVBAで書いたマクロプログラムを中心に開発していますが、これは通常のExcelとは異次元の話になりますので、ここでは触れません。

VBAをつかわなくても自動化できるマニアックなテクニックをお伝えしてゆきたいと思います。

こがねむしクラブで提供しているプログラムの中に「かねぐるR」という、予実管理ソフトがあります。3年以上の月日をかけて改善してきたものですが、その過程で、様々な実戦的なテクニックを見つけ出しました。

しばらくはこの「かねぐるR」に使っている自動化テクニックについて解説していきます。

他人に数式を壊されないための必殺テクニック

まず1回目は、シート保護をかけたときに、ロックされていないセルに色をつけるというテクニックです。

他の人にExcelシートを使ってもらうときに、困るのは数式を壊されることです。

壊されないように数式の入っていないセルだけ色付きにして入力可能エリアだと分かるようにする方法を伝授します。

シート保護をかけると数式の入ったエリアは入力が出来なくなります。

このシートの、薄い黄色の部分はセルがロックされておらず、入力可能エリアになっています。

 

黄色いセル以外のところに入力しようとすると、エラーが表示されます。

 

これは、ホームタブの右の方にある「条件付き書式」を使っています。「条件付き書式」はこれから紹介してゆくテクニックの中でもよく使います。

 

シート全体のうちセルがロックされていないエリアを黄色く表示させてみます。

まず、左上の角をクリックしてシート全体を選択します。

 

次に、「条件付き書式」→「新しいルール」を選択します。

 

「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択して、次の数式を満たす場合に値を書式設定:の欄に

=CELL(“protect”, A1)=0

と、入力します。この数式の意味は深く考えなくても良いです。私もわかりません。
ちなみに、0を1にすると、セルをロックしたエリアに色がつきます。

 

書式をクリックします。

 

書式から「塗りつぶし」を選んで、入力エリアの色を選びます。

 

ちなみに私は、ユーザー設定でカラーコードを以下のように指定していますが、そのまま一覧から色を選んでも大丈夫です。

これで、ロックされていないセルが薄い黄色で表示されます。

セルのロックを解除する方法は、セルを選択して右クリックして、セルの書式設定を選択します。

 

保護を選び、ロックのチェックをはずします。

ロックを外したセルが黄色く表示されるはずです。

 

最後にシート全体に保護をかけます。

校閲タブの、シート保護を選択します。

 

OKをクリックして、シートの保護をかけます。

これで黄色いエリア以外のセルに入力をすることができなくなります。

 

このテクニックを、使い出すとやめられなくなりますので、是非お試しください。

次回は、セルロック解除をもっと効率よくやるテクニックなどをお伝えしたいと思います。

関連記事

この投稿者のその他の記事