税務実務

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  • 2023.01.18

生命保険契約の有無が分からない場合の照会制度

 近年、高齢者が独居のまま亡くなる、亡くなる前に痴呆症が進むなど理由で被相続人の財産の把握が難しいケースが増えています。特に生命保険契約の場合は、保険料を支払っていた時期が亡くなる数十年も前だったり、保険証書を紛失又は保管場所が分からなくなっていたりするケースも多く、契約の把握が他の財産と比べても難しい場合があります。確かに生命保険会社からは毎年通知が来る場合が多いですが、住所変更をしておらず通知 […]

相続税の更正の請求の特則に関する最高裁判決

令和3年6月24日に最高裁で相続税の更正の請求に関する判決がありました。事案の概要は以下のとおりです。詳細に説明すると複雑であるため、一部事実関係については省略しています。株価の争点は、株式保有特定会社に該当するか否かでした。 H16. 2.28 被相続人死亡 H16.12.27 未分割の相続税申告書提出(株価11,185円) H19. 2.13 非上場株式の評価誤りに基づく増額更正処分(株価19 […]

法人に遺贈した場合の相続税等の課税関係

配偶者や子供がいない方の場合、関係性の薄い兄弟姉妹やその子供(甥や姪)に相続財産を残すよりは、生前世話になったり関係性が深かったりした他人や法人に財産を遺贈する内容の遺言書を書く方が今後増えていくように思えます。 では、法人に相続財産を遺贈するという遺言書がある場合、相続税の課税関係はどのようになるでしょうか。 相続税法第1条の3第1項に納税義務者の規定があります。少し読みづらい条文ですが、納税義 […]

  • 2022.01.25

減資とみなし配当について具体例

減資とみなし配当について具体的設例で考え方を教えてください。 下記となります。  下記は無償減資です。資本金の減少を行った法人の処理は以下のとおりです。     (借方)資本金   ×××   (貸方)資本金等の額   ×××   資本金等の額に総額はありません。上掲の税務仕訳でそれが分かります。  減資は、資本金という計数の減少であり、租税法においては、資本金等の額に変動は生じません。上掲税務仕 […]

  • 2022.01.13

出資消却におけるみなし配当

 出資消却におけるみなし配当を教えてください。  下記となります。  取得した出資に係る消却はみなし配当の対象外です。取得時に処理済みのためです。出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社又は脱退による持分の払戻しその他株式又は出資を発行した法人が取得することなく消滅させることなどが該当します。外国では強制消却制度が存在しているケースもあり、それを我が国に導入した際に包括的規定を念頭に置いているか […]

  • 2021.12.14

自己株式又は出資取得におけるみなし配当計算事例

 自己株式又は出資取得におけるみなし配当計算の具体的計算事例を教え てください。 下記となります。  会社法上、自己株式取得は純資産を株主交付する取引と考えます。法人税法上もそれに則り、資本等取引として扱います。  なお、自己株式取得において低額譲渡した場合、種々の見解(例えば、損益取引と資本等取引との混合取引ではないか、等々)がいまだあるようですが、課税実務上は資本等取引として扱って全く問題あり […]

出資消却におけるみなし配当

出資消却におけるみなし配当を教えてください。 下記となります。  取得した出資に係る消却はみなし配当の対象外です。取得時に処理済みのためです。出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社又は脱退による持分の払戻しその他株式又は出資を発行した法人が取得することなく消滅させることなどが該当します。外国では強制消却制度が存在しているケースもあり、それを我が国に導入した際に包括的規定を念頭に置いているかもし […]

  • 2021.08.26

相続持分を譲渡した際の課税関係

 相続が開始した場合、法定相続人は被相続人の財産について自己の法定相続分に基づく権利を有します。では、自己の相続分について「相続持分の譲渡」が出来るのはご存知でしょうか。  相続が発生して遺言書がない場合には、各相続人は遺産分割協議等により実際の相続分を決める必要があります。しかし、他の相続人との遺産分割協議が煩わしい場合や早期に金銭を取得したい場合などには、自己の相続持分を譲渡することが可能です […]

みなし配当計算に係る条文の読み方に関する課税実務におけるポイント

みなし配当計算方法に係る条文はカッコ書が多くて読みにくいです。ポイントを教えてください。 下記となります。 解説 (1) 按分割合に関するポイント  カッコ書が多いため、下記にまとめて記載します。 ○直前期末の資本金等の額と利益積立金額の合計額(税務上の簿価純資産価額)  按分割合を厳密に計算するために、分配直前の簿価純資産価額で計算すべきものとなります。  しかし、実務上、当該金額を厳密に計算す […]

配当を受けた側の税務上の取扱い

みなし配当の租税法における計算規定について配当を受けた側の概略を教えてください。 前回と重複する箇所もありますが、まとめて整理すると下記になります。 解説 みなし配当を受けた株主の税務上の取扱いの規定は下記です。 ○個人…所得税法第25条第1項 (所得税法第25条第1項) 【配当等とみなす金額】 第25条 法人(法人税法第2条第六号(定義)に規定する公益法人等及び人格のない社団等を除く。以下この項 […]

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